熱中症声かけ予防プロジェクト
とは

実行委員長からのご挨拶

三宅康史

実行委員長

帝京大学医学部救急医学講座教授 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長


このプロジェクトにかかわって10年、4年前からは実行委員長も拝命し、多方面に向けて“わかりやすい”熱中症予防の声かけ運動を広めていきたいと考えています。診療データを調べてみると、ここ数年、熱中症患者さんの重症者の割合は、少しずつですが改善してきています。温暖化、高齢化が進行しているにも関わらず、です。これも、各方面の皆さんの地道な努力の積み重ねの結果です。それを見つけ出して光をあて、応援していくのがこのプロジェクトの重要な役割です!また新しい役割として皆さんの取り組みをお互いにつなぎあわせ、より有効なプロジェクトに育ててゆくのも大切だと感じています。
ご高齢の方や、働き盛りの勤労者の皆さん、スポーツにいそしむ若人も、「まさか自分が熱中症になるなんて…!!」ということにならないよう、お互いに声をかけ合って日本の夏を乗り切っていきましょう。新型コロナ感染症も、ようやくインフルエンザと同じ扱いになり、また新しい『新しい生活様式』が始まります。違った工夫を凝らしながら、厳しい夏を安全で楽しい夏にしていきましょう。

実行委員よりご挨拶

石丸泰

一般社団法人環境情報科学センター調査研究室長、技術士(環境部門)、理学療法士


寝苦しい熱帯夜で寝不足、夏の太陽がじりじりと照り付ける交差点での信号待ち、もうクラクラして倒れそう!
人は体温を一定に保つというすばらしい機能を持っています。しかし、寝不足で体温調節が十分に働かず、交差点のような厳しい暑熱環境下では、人の体温は上昇してしまいます。
環境情報科学センターは「環境」と「健康」に関する様々な調査や研究を通じて、科学的な情報を分かりやすく伝え、快適で健康的な環境づくりを支援しています。声かけプロジェクトでも「へぇ~、そうなんだ。気を付けなきゃ!」と感じてもらえる声かけができるよう、微力ながら協力させていただきます。

日下博幸

筑波大学 計算科学研究センター 教授、地球環境研究部門主任


筑波大学日下研究室では、これまで岐阜県多治見市、埼玉県さいたま市、埼玉県熊谷市、茨城県つくば市などで、気温観測や人が暑さをどう感じるか?などを調査してきました。
最近は、暑さをどうやわらげることができるのか?という問いに答えるために、スーパーコンピュータを用いた数値シミュレーションによって調査しています。また、2050年代、2070年代、2090年代の東京、大阪、名古屋の熱環境がどうなるか?などの予測も行っています。
これらの経験を活かし、気象学・気候学の専門家の立場から、このプロジェクトに貢献できればと思っています。

登内道彦

一般財団法人 気象業務支援センター 国際事業部長、気象予報士


毎年夏になると、熱中症の発生がマスコミで取り上げられます。全国的に暑い夏となった2010年や2013年だけでなく、毎年、熱中症による多くの搬送者があります。「猛暑日」(最高気温が35度以上の日)や「熱帯夜」(最低気温が25度以上の日)の増加など、ますます日本の夏は過ごしにくくなっていますが、この暑い夏を、安全に、快適に、できれば楽しく乗り越えてゆかなくてはなりません。このプロジェクトをとおして、「暑さに負けない健康な体づくり」、「暑さを避けて快適に過ごす工夫」、「熱中症になりやすい方に声をかけて一緒に夏を乗り越える取り組み」などに参加する方が少しずつ増え、暑い夏が、少しずつ快適で楽しい夏となることを、期待しています。

新津 研一

株式会社USP ジャパン 代表、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会 代表理事 事務局長


いよいよ再稼働した訪日観光。訪日ゲストにとって、日本の四季の変化はとても魅力的な観光コンテンツです。
暑い南国からのゲストには、雪景色や地吹雪さえも、貴重な体験だと受け取られています。
でも暑さは別!南国のゲストをも「日本の暑さにはまいった…」と言わしめる過ごしにくさです。夏は、一年の中でも訪日ゲストがピークを迎えるホリデーシーズン。ぜひともプロジェクトの総力を結集することで、日本人のみならず訪日ゲストのみなさんにも、日本の夏を快適に楽しんでいただき、楽しい夏の思い出をお持ち帰りいただきましょう。

渡部厚一

筑波大学体育系教授


私はスポーツ現場でスポーツドクターという立場で仕事をしておりますが、スポーツ活動中の最重要な健康課題として「熱中症」があげられます。ご存じのように、東京2020大会では日本の暑い夏が懸念され、世界中から暑熱対策が注目されました。運動そのもので多量の熱が発生するため、労作性熱中症は容易に命にかかわり、時に迅速な医療処置が必要となります。一方、ちょっとした工夫や声かけが熱中症予防につながるとも信じております。安全なスポーツ活動を目指し、熱中症予防策について、ワンチームとなって考え、取り組んでいきましょう!

実行委員は氏名の五十音順とする