
熱中症対策アドバイザー部門 最優秀賞
佐藤 可奈

当施設は人間ドック・健診を主とした施設である。当施設の目標の1つとして、専門性を生かした身体活動・生活指導などの健康教室を行う疾病予防拠点を目指すことが挙げられ、毎年熱中症対策を健康教室の一環として実施している。今年度も4月から熱中症対策を講じていただけるように健康教室を実施した。また併せて今回は専門的知識向上と日常生活に活かせる対策の体得を目的に、倉敷市民を対象に市民講座として「防ごう、熱中症!~予防と初期対応のワンポイントアドバイス~」を実施した。講師は救急科医師と薬剤師が担当し、救急科医師からは熱中症の基礎知識からワンポイントアドバイスを講義様式で行い、薬剤師からは、日常生活でできる対策をcall&responseの参加様式で実施した。岡山県は熱中症における緊急搬送が多いため、予防を実施できるように救急医師から症状や対策を伝授いただくことに注力した。また毎日の健康教室を12時から開催することで、避暑地として当施設を活用いただきながら熱中症の予防知識を習得していただき、対策を講じていただけるまで啓発を行った。残暑のため、開催時期を通常より延長し健康教室を開催した。

【成果】 市民講座では定員を超える108名の参加があり、年齢は7ヶ月の赤ちゃんから高齢者まで幅広く、倉敷市のみならず様々な市町村から参加いただき大盛況であった。質問も多岐にわたり多くの方が自分自身のできる熱中症予防を体得できたと考える。アンケート結果では、「話を聞いて、とても参考になりました。実行します。」「熱中症の怖さを知りました。対処法が分かりました。」など97%の方から満足との回答が得られた。健康教室では参加者の方々から「とても楽しい時間でした。」「クイズがダメでした。」など多くの反響をいただいた。資料配布については、職場や家族にも共有したいとのお声もあり、参加者のみならず波及効果があった。 【工夫ポイント】 ・救急科医師と共同で行った。救急科医師から病態を交えた内容で症状の進行まで理解できるように講義形式で実施した。 ・薬剤師はcall&responseの参加様式で行うことにより、楽しみながらかつ参加者かができる対策を持ち帰れるようにした。また多職種連携により運動習慣、食事対策など幅広い内容も取り入れた。 ・毎日健康教室の開始時間を昼12時とすることで避暑地提供も兼ねた。
このたびは、熱中症アドバイザー 最優秀賞にご選出いただき、誠に光栄に存じます。 活動6年の中でCOVID-19の影響により活動が制限される時期もありましたが、啓発活動を継続できていることは、私自身大きな励みとなっております。本年度は、救急科医師と連携し、市民講座を開催することで、専門的かつ実践的な知識を、より多くの方に届けることを目指しました。また、日々の健康教室では「Call & Response」を取り入れた参加型とし、各々が自らできる熱中症対策を知る機会となったと感じております。 今回の受賞を励みに、今後も多職種と連携しながら、より進化した熱中症予防啓発活動を展開してまいります!!