
熱中症対策アドバイザー部門 最優秀賞
西村 香奈

私は介護事業所の運営管理を担当しており、管轄する14の訪問介護事業所と協働して、訪問介護ご利用者様の熱中症予防に取り組みました。 お客様の『自宅で安心して暮らし続けたい』という願いを叶えるうえで、夏場の熱中症は大きなリスクとなるため、熱中症対策アドバイザーとして事業所の管理者向けの研修を行い、訪問介護ができる事を議論、熱中症対策の策定、チラシなどを作成しました。 管理者の熱い想いに賛同した約100名のスタッフが150名以上のお客様に対し、水分補給の声かけや室温確認を実施しました。 室温確認は、エアコンの温度設定が適切かどうか、季節に合った衣類を着用しているか、声かけ・確認を行いました。 水分補給の声かけは、水分補給の促しだけでは無く、ご自宅や冷蔵庫に水分が確保されているか確認を行いました。 冷蔵庫の中身をイラストで可視化したチラシを作成し、冷蔵庫の中に水分が入っている、という事が分かるように記載、お客様に説明し、必要な方の冷蔵庫に掲示しました。 チェックシートでケアマネジャーやご家族様に対し、水分の摂取状況の共有を行い、ご家族様からも声をかけていただくようお願いしました。

【工夫ポイント】 ・実践的かつ効果的な予防策を講じるために、事業所の管理者とやスタッフと協働 ・訪問時に室温、エアコン設定温度を確認し、外気温や暑さ指数に応じた啓発を実施 ・退室時に水を入れたコップを冷蔵庫に準備し、不在時も水分補給できる環境を整備 ・認知症や一人暮らしの方にも分かりやすいよう、冷蔵庫イラスト入りチラシを作成 ・生活動線上にある冷蔵庫にチラシを掲示 ・スタッフがお客様の熱中症予防に向けた宣言を実施し、スタッフの意識を向上 ・お客様の状況をケアマネジャーやご家族様に共有しチームでの関わりを意識 【取組成果】 室温管理では、エアコンを適切温度で使用される方が増加しました。 冷蔵庫のチラシをきっかけに、スタッフ不在時にも水分を摂る行動が自然に見られるようになりました。 「水を飲む回数が増えた」「安心して夏を乗り越えられた」という声が寄せられ、前年と比べて熱中症による体調不良者が減少したという現場の実感も得られました。 訪問介護の限られた時間の支援でありながら、不在の時間帯も含めて生活全体を支える支援へとつなげることができました。
このたびは最優秀賞をいただき、大変光栄に思っております。 住み慣れた自宅で安心して暮らし続けたいという願いを叶えるために熱中症予防に取り組んできました。スタッフ一人ひとりが、誠意をもってお客様の生活に寄り添い、専門職としての誇りを胸に抱いて行動に移した結果が、この受賞につながったと感じております。 また、お客様やご家族様、ケアマネジャーの皆様のご協力にも心から感謝しております。 今後も、これまで以上の情熱を持ち、熱中症予防に取り組み、誰もが安心して暮らせる地域づくりに貢献してまいります。