
熱中症対策アドバイザー部門 優秀賞
名倉 美明

正直難しい事、真新しい事をやっているわけではありませんが、炎天下で作業する建設工事業者として、以下の取組みを行いました。 ・WGBT値と表示と熱中症対策への喚起 ・すぐに休める日陰の提供 ・水分補給の提供 今回現場管理を行った現場は、日陰が全く無く、自販機も無い現場でした。なので、とにかく作業員が休憩できるところ、しっかりした休憩時間が取れないのであれば、小休止できる環境の確保を考えて取り組みました。 私が思う究極の熱中症対策は、作業員さんが手ぶらで出社して、手ぶらで帰れることです。熱中症対策は個々の対策は重要ですが、お金を稼ぐ為に仕事をしているのに、お金を稼ぐ為にお金を使う…それでは健全な業態とは言えないと思います。なので、【場所・モノ】をしっかりと確保できるような環境づくりを取り組んでいます。

世間的には「園児が炎天下の車内に取り残され…」「学生が部活中に…」といった報道がされますが、建設業は熱中症発生数第1位、熱中症による死亡者数第1位と熱中症に最も近い業種です。 不要不急の外出は避けましょうと言われる中、炎天下で仕事をします。まさに命がけで業務をこなしています。また明確な休憩時間も取れないようなケースも多いのが現状です。とはいえ、私を含め作業員さんは、一般の方より精神的な暑さ耐性はあると思います。しかし身体的には皆と変わらない生身の人間なので、そこが日中頑張りすぎてしまうのかなと、そして亡くなってしまうような事故に繋がるのかなと考えます。 なので、工夫したポイントとしては小休止を有効に使うこと。工期や他社との段取りの関係で、なかなかマイペースで進める事が出来ない作業が多いです。休憩の為にエアコンのある部屋に入ってしまうと、ホントに出るのが嫌になる…が外仕事なので、トイレに行くついでにちょっと麦茶1杯、移動の動線で麦茶1杯、私自身も、「ちょっと休憩しながら話そ」そういう環境づくりを工夫しました。 成果としては、現場で熱中症が発生しなかった…それが1番の成果です!
受賞に驚きと戸惑いがあります。 厚労省の熱中症対策事例などでは、大手建設会社が行っている内容である ・ポカリ1本50円の自販機 ・シャワー室完備、足湯(足水)の確保 ・かき氷食べ放題 等々の、素晴らしい実施事例があります。 しかし、私たちのような地域の中小企業では実施できる規模や予算に限度があるのが現状です。 その中で、当たり前の事を積極的に実施し、アピールすることで、このような賞を受賞できる事は大変うれしく思いますし、今後の励みになります。