アドバイザーからの活動報告

投稿日:2025/09/29


アドバイザーのお名前:平岡 美香


タイトル:WOLKCOOLキットの開発


期間:2025年06月02日~ 2026年03月28日


取り組み内容:

「現場での熱中症リスクを最小限に抑えるための実践的な備え」として、熱中症対策キット(WORKCOOL KIT)を開発しました。現場作業に従事する方々が、急な体調不良に即座に対応できるよう、専門的な視点から必要なアイテムを精査し、無駄を省いた実用的な応急セットを構成しました。また、すべての現場に常備できるようコストにも配慮し、価格と機能のバランスを重視しました。さらに、キットを活用した応急処置の重要性を周知するため、キット内容の説明や使い方の説明、熱中症と思われる場合の対処方法などを全体会で周知。定期的な熱中症対策の周知や研修との連動なども計画し、現場全体での熱中症対策意識の向上を図る取り組みとして展開しています。


工夫したポイント:

WORKCOOL KIT(熱症対策キット)は、現場で実際に役立つことを最優先に、アドバイザー目線で開発しました。市販の応急セットは高額で、実際には使われないアイテムも含まれているケースが多いため、必要最低限かつ効果的なアイテムに厳選し、100円ショップなどで購入でき、コストを抑えながらも実用性が高く、消耗しても入手しやすいものを選んで構成にしています。
工夫したポイントとしては、携帯しやすいコンパクトサイズで持ち運びがしやすく、バッグは防水・耐久性のあること(100円ショップで購入)、暑さに直面した際すぐに対応できるよう優先使用順に整理されていること、現場での使用頻度が高いアイテム(冷却シート、経口補水パウダー、瞬間冷却パックなど)を中心に構成していることです。さらに、誰でも購入しやすいように身近で購入できる対策グッズを選んでいます。キットと共に掲示用の熱中症啓発やキット説明なども準備し、熱中症が疑われる場合に迷わず応急処置が行えるよう配慮しています。


SDGs達成につながるアクション:

目標3「すべての人に健康と福祉を」に直結する取り組みです。特に屋外や高温環境で働く人々の健康を守ることは、労働環境の安全性向上につながります。
目標8「働きがいも経済成長も」にも貢献します。また、必要最低限の内容を厳選したキット構成は、
目標12「つくる責任 つかう責任」にも対応。限られた資源を有効活用しながら、労働者の健康を守る仕組みを広げることは、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションです。
目標1「貧困をなくそう」
熱中症による重症化や長期療養を防ぐことで、労働による収入源を守り、経済的困窮のリスクを下げることにつながります。特に日雇いや非正規雇用の多い現場においては重要な支援となります。
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
キットの内容や使い方は性別を問わず誰もが使える設計にしており、多様な働き手の安全確保に寄与しています。
目標11「住み続けられるまちづくりを」
建設やインフラ整備など地域の安全に関わる現場で働く人々を守ることで、地域社会全体の持続的発展にも貢献します。
このように、WORKCOOL KITは複数のSDGs目標に関わる幅広い社会的意義を持っています。


取組成果:

現場へのキットの常備が進んだことで、発症時の初期対応が迅速になり、重症化を防げた事例も報告されています。また、キット導入をきっかけに現場全体で熱中症への意識が高まり、日常的な水分補給や休憩の習慣づけにもつながりました。さらに、コストを抑えたキットの採用により、複数現場での一括導入が実現し、企業全体の安全対策レベル向上にも貢献しています。その他の成果として、キット導入後に現場スタッフから「安心感が増した」「熱中症に対する備えが具体的になった」といった声が多く寄せられ、従業員満足度の向上にもつながりました。また、定期的な備品確認や使い方の共有が行われるようになり、職場全体での安全意識・健康管理意識の底上げが図られています。企業の安全衛生活動の一環として外部からも「欲しい」「購入したい」など評価され、協力会社や取引先からの信頼向上にも寄与しています。こうした成果は、働きやすい現場づくりと持続可能な労働環境の実現にも直結しています。